Vol.2
YOKOICHI
YOKOICHI
- Maimi Kanazawa -
広々とした店内には多種多様なパンが取り揃えられ、 “クラフター” と呼ばれる職人達が 次々にありとあらゆるパンを作っていく。 スタッフ達は元気にパンの焼き上がりを教えてくれる。 厨房スペースで最後の仕上げをしてくれるパンがあったり、 期間限定のトレンドメニューなど、足を運んだ人が ちょっとうれしくなる工夫が盛り沢山。 今回はこのYOKOICHIを取りまとめるスタッフの方に、 いろいろなお話を伺うことが出来ました。
2023年1月、札幌市清田区に新たなベーカリーがオープン。
連日完売が相次いでいるようで、次から次へとお客さんがやってくる。
Vol.2
YOKOICHI
毎日パン、毎日牛乳
私が生まれた時にうちの父親が独立してパン屋をスタートしたんですよ。
その時はフランチャイズでやってて。パンを毎日食べるんです。ずっと。
廃棄になるパンだったり、ロスになった牛乳とかを飲んで育ちました。
その頃は平岸に居て。
夜とかになると、おもちゃが無かったので、段ボールに新幹線の絵を描いたりしてました。
蛇口から水を飲んだ事の無い小学生。
パンはあまり食べなかったです。
お店のハンバーグパンのハンバーグだけはがして、温めて、ご飯と食べてましたね。(笑)
あとはサンドイッチとかはたまに食べてたかな。
そんな中でも、コンビニのパンとかは全然食べられなかったですね。
味利きが出来るくらいになっていたので。
お店の食パンだけは唯一食べられました。
小さい頃はいつも牛乳を飲んでいたので、小学5年生まで蛇口の水を飲んだことがなかったです。
全部牛乳だけで育ちました。
北海道から世界中の海へ。
そんな中で私が、海外に16、17歳くらいで行くことになって。
きっかけはアメリカのハワイ。ダイビングインストラクターの免許取ったのが18歳くらいですかね。
それから、ヨーロッパ以外は全部行ったと思います。
拠点がオーストラリア。あとニュージーランドとかアメリカ。
立ち寄ったくらいの所も含めると、中国、台湾、パプワニューギニア、エジプト、アフリカ、、、
全てダイビング関係で行きましたね。
自分の中で、世界で潜りたい海を5つピックアップして、大人になるまでに完遂しようと。
外の世界から、自分のふるさとを望む。
そこから海外への移住が始まったんですけど、やっぱり日本と言うか北海道にいつか戻って、農業で振興したいと思ってたんです。
私は元々、音威子府村で生まれて。北海道で一番小さな村だったかな?
担い手の減少だったり、いろんな問題で農業が衰退してしまっていて。
過疎化だったり、都心に人がどんどん移動してしまう、子どもが田舎で育たない、とか。
日本全体は難しいかもしれないけど、自分が生まれた故郷の北海道では何か出来るんじゃないかなって。
それで会社を立ち上げました。
さて、北海道で何をしよう。
で、何しようかなって思った時に、私が生まれた時から知ってるものはパンだなって。
そして少なからず、嫌いでは無いけどパンに飽きてる状態で何十年も育って来てるので、
私が美味しいと思えるパンは、きっと世の中的にも美味しいパンだろうと。
あとは工場が、生地一筋で何十年もずっとやっているところがあって。
他には無い様な、北海道から海外に持っていける様なノウハウの詰まった生地だったので、
だったら実験的に自分でやってみようと言う事で、北海道でパン屋をやっています。
そこにパンはあるのかい?
昔やってたドラマで、牛乳パンが出て来て。
海外にいる間もずっと頭の片隅にそれがあって、、、
アメリカで学生してる時、ビザの問題でバイトが出来なかったので、
父親に頼んで、牛乳パンを作ってネットで販売を始めたりしましたね。
牛乳の一番のメッカの別海町と言う所があって、そこの牛乳を使って作りました。
それが自分の中で納得の行く味になって。今お店で出してる牛乳100%のパンのベースになった感じです。
MADE IN HOKKAIDO。
別海の牛乳は、みずみずしくてさっぱりしてるんですよね。
チーズにすると後追いで香ばしさが出て来たり。
摩周の伏流水で育ってるのも関係あると思います。
小麦に関しても、やっぱり ”MADE IN HOKKAIDO” で行きたくて。
美瑛の”春よ恋”と”ホクシン”を使っています。
食感はもっちりしていますね。北海道の小麦の特徴で、牛乳との相性も抜群です。
でも、香りに関しては海外の方がもしかしたらレベル高いかもですね。
焼きそばパンはパンじゃなくて、新しい料理。
海外と日本ではやっぱりパンを食べるスタイルが違うと言うか。
水と小麦だけで作って、お料理と合わせる所謂ハード系のパンだったり、シンプルですよね。
日本はどっちかと言うと、お惣菜パンとか。
フランスで焼きそばパンがあったら、パンでは無くて新しい料理ですね。
牛乳のレベルの違い。
で、製粉技術は海外でもすごくレベルが高いんですけど、
海外の一番の問題は、牛乳をこのレベルで出せないって事で。
中国の牛乳飲んだ事あります?水です。
アメリカの牛乳もガロン単位で売るんですけど、あんまりですね。
日本の牛乳はすごいです。
世界中どこでも、北海道味。
そう言う問題があるので、美味しい粉と高い製粉技術があっても、同じ味にはならない。
うちの生地の一番の強みがどこかと言うと、
こっちの牛乳を使って作った生地が ”輸出出来る” と言うところ。
北海道の原料で作ったうちのパンの味を、海外で完全再現出来る可能性がある。
4年経っても焼き立て。
生地は全て急速冷凍をかけています。
理由としては、一度冷凍した生地は不思議と締まるんですよね。
水分値が均等に配置されると言うか、、、まぁ勿論企業秘密もあるんですけど。
うちの生地は冷凍障害がほぼ無いんですよね。
通常のパンだと、解凍した時に硬くなったり、べちゃっとした粘土質になってしまったり。
でも、4年前に冷凍したうちのパンは水分値を計測したら焼き立てと変わらなかったです。
JAPANを超えていく、令和のHOKKAIDO。
海外の友達に聞くと、”MADE IN JAPAN” よりも “MADE IN HOKKAIDO” が強いんですよね。
食に関して北海道はダントツだし、アドベンチャー系も北海道はダントツなので。
北海道の食材で好きなのは、、、白老牛が好きですね。美味しい。
魚介で言うとキンキ とか?お寿司も大好きです。
楽しくて笑顔になれる、エンタメパン屋さん
うちで一番売れるのは、、、期間限定商品ですけど、今は生ドーナツですかね。トレンド商品です。
固定商品だと食パンとクロワッサン、次に揚げ物系、あとメロンパンですね。私は食パンをよく食べます。
原価を無視して美味しいパン作るとしたら、ハンバーガーですね。
うちはエンターテインメントしたいので、何か1つ、楽しいこととか、笑顔になれるエッセンスを加えたいなって思ってます。
あとがき
北海道の食材にこだわり、世界のどこにでも美味しいパンを届ける事が出来る。
海外でも “MADE IN HOKKAIDO” が求められている事実に、私もとても嬉しくなりました。
YOKOICHIのパンは、ほっとする味わいで、食べ飽きしないし、食べ疲れしない。
種類もたくさんで、毎日でも食べられそうです。
ここまで読んでパンが食べたくなったあなたは、是非YOKOICHIへ。
トレーがいっぱいになるまで、思う存分。
(ちなみに私はくるみとチョコの硬いパンが好きです。最高!)
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- 新しいウィンドウで開きます。